再生医療について

院長 奥田 真義
「慢性疼痛」とは

数カ月から数年にわたって持続したり、再発を繰り返しりする痛みです。
痛みは、けがや病気など、体の異変を警告する大切なサインで、通常はけがや病気の治癒過程でおさまっていきます。しかし、治癒しても痛みだけが残る、あるいは診察しても痛みの原因が不明の場合があります。 これを「慢性疼痛」といい、痛みが広範囲ではっきりしないのが特徴です。

慢性疼痛には、大きく分けて3つの原因があります

①痛みを伴う疾病
変形性膝関節症や関節リウマチなど、完治が難しい病気による痛み。がんの痛みも含みます。

②神経の痛み
 神経障害性疼痛。帯状疱疹などの感染症、交通事故による外傷などの原因で神経が傷つき、痛みが続きます。糖尿病も進行すると末梢の神経にダメージを与えるため、慢性的な痛みを感じる場合があります。

③心理的な影響
 中枢機能障害性疼痛。ストレスなどによって、痛みを抑えようとする脳の機能が障害され、軽度な刺激でも激痛を感じるようになります。慢性疼痛を放置していると、心身ともに消耗し、不眠や食欲不振、集中力の低下、イライラなどの症状が現れることがあります。また、慢性的な痛みによるストレスで、うつ傾向となり、社会生活に支障をきたす可能性もあります。

慢性疼痛の根本的治療へ
 慢性疼痛の治療には原因疾患ごと、症状ごとに、薬剤治療、理学療法や精神療法などさまざまな治療の選択肢があります。 慢性疼痛は標準的な治療で効果が見られることもありますが、 原因が分からず有効な治療がない場合や原因は分かっていても既存の治療で慢性の疼痛を取り除くことができない場合もあります。
 長期的な痛みは日常生活や社会生活を困難にし、 そのことが精神的な悪影響を及ぼしてさらに痛みが悪化してしまう悪循環に陥ることが知られています。 このような難治性の慢性疼痛に対し当院では標準的な治療をされても慢性の疼痛を取り除くことができない方を対象に、 治療の選択肢の一つとして再生医療をご提案しています。
期待できる効果
根本的治療が期待できます
➢ 体内に投与した幹細胞は体内の傷ついた場所に集まり、炎症を抑え傷ついた組織を修復する性質があります。
➢ 痛みの原因となる慢性炎症を抑え、末梢神経の傷害部位を修復することにより疼痛を緩和させる効果が期待できます。
➢ 幹細胞の特性により、原因が分からない疼痛についても痛みの軽減が期待できます。
「慢性疼痛」の再生医療
脂肪組織由来幹細胞(ASC)療法
自分の脂肪から抽出した幹細胞を活用したASC療法
 幹細胞治療は現在、培養治療、非培養治療、培養上清液治療の三種類に分けられます。 その中で、幹細胞培養治療は当然ではありますが、幹細胞数がもっとも多く存在致します。 幹細胞による治療効果を大きく分けて二つあると言われています。
 一つは、幹細胞自身が分化し軟骨、半月板、骨などになること。 そしてもう一つは、幹細胞から出る成長因子や抗炎症性のサイトカインによる組織修復を期待したものになります。
 幹細胞培養治療では、この両者の治療効果を期待できることから選ばれる治療となっております。
 一方で、デメリットとしては、脂肪採取がやや患者さんにとって身体の負担があること。 幹細胞を培養するのに6~8週間程度時間を要することなどが挙げられます。
自分の脂肪を用いる
 脂肪組織由来幹細胞(ASC)療法の治療内容
 患者様ご自身の脂肪組織から採取した脂肪由来幹細胞を、末梢静脈内に点滴投与します。 脂肪由来幹細胞が持つ神経再生能力や神経損傷部の修復能力、また抗炎症因子の働きによって、 慢性疼痛をコントロールし、症状を緩和することが期待できます。 患者様ご自身の幹細胞を用いるため、拒絶反応や感染症の心配もほとんどありません。
 点滴投与することで全身に細胞を行き渡らせることができます。お痛みの箇所はもちろん、他の箇所への効果も期待できます。
当院の特徴
① 慢性疼痛に対し対処療法ではなく「根本的治療」が期待できます。
幅広い慢性疼痛に対応しております。
③ 当院の脂肪幹細胞は他院の培養数の5倍から20倍まで培養可能です。
④「お痛み」でお悩みの方へ自信をもっておすすめ致します。
当院で行う再生医療の安全性・持続性
✔ 高い安全性
自分の血液や脂肪を用いるため、重篤な副作用の心配が不要で、安心して治療を受けていただくことが可能です。
✔ 治療効果の長い持続性
国際的な権威ある学術誌において、高いレベルの科学的根拠を有する研究結果が報告されており、安全性と有効性が確認されています。
当院は再生医療等提供計画が受理されています
 本邦で再生医療を行うには、再生医療等安全性確保法(実施可能な再生医療を行うための法律)に則り、 再生医療等提供基準(厚生労働省令)に基づいた再生医療等提供計画を作成し、 認定再生医療等委員会の厳しい審査を通過した上で、厚生労働省に受理される必要があります。 当院で提供する再生医療は再生医療法*に基づいた厳しい施設基準を満たしており、 安全性が確保された治療法を正しい手順で実施できる施設として厚生労働省により登録されています。
※ 再生医療等提供計画(第二種)を取得済み。
治療の流れ
① 受診のご予約
当院では安全でより良い再生医療をご提供するため、完全予約制となっています。
電話にて、診察希望の日時をご連絡ください。予約状況を確認し、当院から診察日をご案内いたします。
※再生医療担当医師のカウンセリングが必要ですので、ご予約・受診の際には必ず「再生医療のカウンセリングを希望」とお伝えください。

② カウンセリング・診察
 スタッフにより、症状の程度や病歴およびこれまでの治療経過も含めた問診を行います。症状によっては、MRI検査が必要になります。
 カウンセリングの結果、当院での再生医療が適しているかどうかを判断させて頂きます。
 再生医療について、ご説明・ご理解して頂いた上で、実際の治療日の予定をたてます。

③ 治療【脂肪組織由来幹細胞(ASC)療法】
 予約日に来院して頂きます。
 細胞培養に用いる血漿成分を得る目的で採血を行います。 患者さまの腹部に局部麻酔を行い、専用の器具で皮下脂肪(脂肪組織)20mlを吸引し採取します。 採取した脂肪組織を細胞培養機関に送り、幹細胞を抽出し培養します。培養するのに約6~8週間必要とします。
 脂肪の採取から約6~8週間後、培養した幹細胞を末梢静脈内に点滴投与します。

④ 定期検診
 当院の脂肪組織由来幹細胞(ASC)療法は、 ご自身の血液や脂肪を使用するため安全性が高く、 外来のみで治療が可能(入院は不要)で、身体に負担が少ない治療法といえます。 しかしこの再生医療はまだ新しい治療法のため、治療の効果や安全性について確認させて頂きたいと思います。
 治療後は、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の定期診察をお願いしたいと思います。

自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性膝関節症の治療についてのご説明
(第二種再生医療等・治療に関する提供計画)


東朋八尾健診クリニック
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